地政学的緊張と米中関係への懸念が、ビットコインを含むリスク資産に影響を及ぼしている。
米国による対イランの新たな空爆がリスク志向を冷やし、ビットコイン価格が下落した。
東アジア市場の株価およびビットコイン(BTC)は、米国の対イラン空爆に伴う地政学的な不確実性の高まりを受け、金曜日に軟調な動きを見せた。加えて、ドナルド・トランプ前大統領が中国による2020年の米大統領選への干渉を主張したこともリスク選好を悪化させ、豪ドルは対ドルで下落した。
時価総額で最大の仮想通貨BTCは、CoinDeskのデータによると、木曜日の65,000ドル水準から約1.4%安の63,600ドルまで下落した。記事執筆時点では短期モメンタムを示す50日単純移動平均線のやや下を推移している。
アジア株式市場は軟調で、日本の日経平均株価は約3%安と1カ月以上ぶりの安値を記録した。オーストラリアのASX 200指数は0.5%下落、ナスダック連動の先物も0.8%下落した。木曜日の米ウォール街ではテクノロジー株寄与度の高い指数が1.6%超値を下げている。
イラン準公式のファルス通信はホルモズガン州政府の話として、米空爆によりホルモズガン南部の5つの橋が攻撃されたと伝えた。ミサイル攻撃はチャバハールの海事管理塔も直撃した。一方で、米国産原油(WTI)先物価格は約79ドル台と地政学的緊張のなかで安定して推移している。
商品通貨かつ中国の指標とされる豪ドルは、米中間の緊張再燃懸念からドルに対して下落した。
木曜日遅く、トランプ前大統領は中国による米国選挙干渉を示唆する諜報報告書の機密解除を発表。北京が2億2,000万の米有権者記録を取得したと主張し、これを民主主義に対する重大な脅威だと位置づけた。中国大使館はこれを否定している。
この問題は直接的に市場を動かすものではないが、9月に予定されるトランプ氏と習近平国家主席の会談を控え、米中関係の緊張が高まる可能性が豪ドル市場の警戒感を強めている。
InvestingLiveのアジア太平洋通貨担当チーフアナリスト、イーモン・シェリダン氏は市場報告の中で、「トランプ氏が会談の数週間前に包括的な中国非難を行ったことは、安定しつつあった両国関係に新たな摩擦リスクをもたらす」と指摘した。
さらに「事実の如何にかかわらず、このレトリックだけで9月に向けた外交調整が複雑化する可能性がある」と述べている。
豪ドルの下落は、米中緊張の激化が不確実性を増大させ、ビットコインを含む他のリスク資産に悪影響を与える可能性を示す警鐘となっている。