LMAX、機関投資家向け暗号資産取引プラットフォームの売却・IPOを検討

LMAX Groupは、Morgan StanleyおよびStifel傘下の投資銀行KBWと連携し、売却または株式公開のオプションを検討していることが関係者3名の証言で明らかとなった。

関係者によると、LMAXの企業価値は最大で50億ドルに達する可能性があるとされ、売却、SPAC合併、米国または欧州でのIPOを含むあらゆる戦略的選択肢が評価されている。ただし、現時点でNASDAQ上場が最有力のルートとみなされている。

また、同関係者は暗号資産市場の低迷が続くなか急いで上場する意図はないと語っている。同社の中核事業である外国為替取引が、この市場の不調による影響をある程度緩和していることも要因だという。

LMAXの広報担当者はこの件について憶測に対するコメントを控え、Morgan Stanleyはコメントを拒否。Stifelは取材時点で回答していない。

ロンドンを拠点とするLMAXは、銀行やブローカー、ヘッジファンド、資産運用会社などの機関投資家向けに、外国為替およびデジタル資産の取引プラットフォームを提供している。英国の金融行動監視機構(FCA)の規制を受け、エージェンシー執行モデル、透明性の高いオーダーブック、低遅延の取引インフラが特徴である。

■暗号資産と伝統金融の橋渡し

今年に入り暗号資産業界では取引活動が加速しており、取引所やフィンテック企業、市場インフラ企業がデジタル資産サービスの強化を進めている。これらは機関投資家の需要拡大を狙った動きだ。

直近の事例としては、Krakenの親会社PaywardによるデリバティブプラットフォームBitnomialの買収合意や、CoinDesk運営のBullishがEquinitiを42億ドルで買収し、トークン化や移管代理サービスの拡大を目指す発表が挙げられる。

業界アナリストは、カストディや決済、トークン化、ステーブルコイン関連のインフラを中心に機関投資家向け体制の再編がさらに進むと見ている。

2021年7月、LMAXはJ.C. Flowersに30%の株式を3億ドルで売却し、企業評価額は約10億ドルとなった。この投資はFXおよび暗号資産市場での更なる事業拡大を目的としている。

過去1年でLMAXは伝統金融市場と暗号資産市場をつなぐ役割を強化しながら事業を拡大してきた。2月には24時間365日稼働するマルチアセット取引所を公開し、機関投資家がトークン化資産と従来の資産をいつでも取引可能にしている。これにより、スポットの暗号資産取引だけでなく外国為替、デジタル資産、コモディティ、トークン化証券の取引まで取扱いを広げた。

この取り組みは1月にRippleから1億5000万ドルの戦略的投資を受けて以降のもので、LMAXの取引・決済ネットワークを通じてRippleのRLUSDステーブルコインの機関投資家導入を促進する狙いがある。

このパートナーシップは、規制された取引所やより深い流動性を求める機関投資家に向け、LMAXの暗号資産市場構造における役割の拡大を示している。加えて、米国でのスポットビットコインETF承認や銀行・資産運用会社のデジタル資産への関心の再燃を背景に、機関投資家の参加増加が同社の恩恵となっている。

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