Binance、ステーブルコイン主導の成長を背景に暗号資産の「スーパーアプリ」化を推進

Binanceの現物・デリバティブ取引責任者であるShunyet Jan氏は、取引サービスに加えて決済や金融サービスへの注力により、同社の次なる成長フェーズを推進していると述べた。

Binanceは、純粋な暗号資産取引に留まらず、決済中心の「スーパーアプリ」へと成長戦略を転換している。Jan氏によれば、ステーブルコインの普及が人々のデジタル資産利用を大きく変革する中、同社の成長は暗号資産取引単体ではなく、決済や金融サービスからもたらされるという。

Binanceの9周年を機にCoinDeskが実施したインタビューにてJan氏は、同社の戦略と今後の重点領域の一端を語った。

「私たちは単なる暗号資産取引所にとどまらず、決済機能を伴うスーパーアプリを目指しています」とJan氏は述べ、「もし我々を決済プロバイダーとして見るならば、市場規模は遥かに大きくなります」と続けた。

さらにJan氏は、Binanceの新戦略は暗号資産の利用が取引を超えて広がっている現状を反映していると説明。取引は依然として同社事業の中核であるものの、ステーブルコインは決済や送金にますます活用されており、単独の取引市場を超えた規模に成長していると指摘した。

「依然として市場は頭打ちとはなっていません。多くはステーブルコインの利用によって牽引されています」とJan氏は強調した。

「スーパーアプリ」としての方向性はBinanceのみの構想ではない。2023年にCoinbase CEOのBrian Armstrong氏は、自社プラットフォームを中国のハイテク大手TencentのWeChatのような「スーパーアプリ」に最終的に成長させる構想を示した。WeChatは世界最大級のスーパーアプリであり、14億人ものユーザーを有する。Armstrong氏は2025年にCoinbaseが暗号資産だけでなく多様な金融サービスを提供する金融スーパーアプリへと長期目標を掲げていると改めて述べている。

Jan氏の発言は、銀行や決済企業が単なる暗号資産取引用のツールにとどまらず、ステーブルコインを決済インフラとして積極的に採用し、金融機関がデジタル資産戦略の拡充に努める中でのものだ。

Jan氏は過去一年間でBinanceが取引サービスの枠を超え、トークン化された株式や上場投資信託(ETF)、その他金融サービスを相次いで追加したと述べた。これらの製品は、ユーザーがBinanceのエコシステム内で離れることなく取引や決済、金融商品へのアクセスをシームレスに行えるプラットフォーム構築の一環であるという。

「私自身を含め、多くのBinance従業員はほとんどの資産を取引所に置いています。なぜならここで必要なことは何でもできるからです」とJan氏は語り、さらに「決済も行え、デビットカードを使って好きな場所で自由に支出できる」と付け加えた。

特に一部ユーザーは、銀行サービスや投資商品のアクセスに制約がある新興市場で強い需要があることもJan氏は指摘した。

「彼らは時に地元の政府や銀行よりも私たちを信頼しています」と同氏は述べた。

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