カナダ銀行(Bank of Canada)は、国内の大手銀行と協力し、トークン化債券の市場流通を検証する実証実験を完了したと発表した。
この実験では、政府系金融機関であるExport Development Canada(EDC)が満期3カ月未満の1億カナダドル(約7,300万ドル)相当の証券を発行し、限定された投資家グループに販売した。
「Project Samara」と称されるこのプロジェクトには、RBC Dominion Securities、RBC Investor Services Trust、トロント・ドミニオン銀行(TD Securities部門)も参加。EDC発行の債券を分散型台帳技術(DLT)上で発行・取引・決済するプロセスの検証が行われた。
RBCが運営するプラットフォームは、債券取引のライフサイクル全体をサポート。債券は台帳上でトークン化され、参加者は同一システム内で入札、クーポン支払い処理、償還および二次市場取引まで行うことが可能となった。
さらに実証実験では、カナダ銀行が発行・管理する「デジタル化されたホールセール・カナダドル」を用いた決済のテストも実施された。これらのデジタル資金は債券と同一の台帳上で移動し、プラットフォーム内で取引決済が完結する仕組みとなっている。
なおカナダ政府は11月の予算案にて、カナダドル連動ステーブルコインを規制する法案の導入計画を示しており、カナダ銀行が監督に関与する見込みである。規制内容は主に準備資産の裏付け、償還ルール、リスク管理に焦点が当てられる見通しだ。
加えて先月、同国の投資規制機関CIROは暗号資産のカストディ(保管)に関する新たな枠組みを導入。これは取引プラットフォームの暗号資産保管基準を強化し、過去の業界破綻に際して問題となったハッキング、詐欺、破産等のリスク軽減を目的としている。