ビットコインは70,000ドル台での推移が続いており、中東情勢の緊迫が原油価格の上昇を招くなか、トレーダーは米国の雇用統計発表を控えてインフレ見通しを改めて見直している。
金曜日の暗号資産市場は弱含みを示し、ビットコイン(BTC)は心理的節目の70,000ドルをわずかに超える水準で取引された。
BTCは水曜日にこのラインを突破し、一時74,000ドル近くまで上昇したものの、流動性の乏しい上値ゾーンで勢いを保てず、米株市場の動きに連動して反落した。
中東地域の紛争激化を背景に原油価格は1バレル85ドルのサイクル高値を更新し、ブレント原油価格は年初来で約42%上昇した。エネルギー価格の高騰とイラン情勢の不透明感が強まる中、欧州のインフレ見通し再評価が進み、マネーマーケットでは年内の欧州中央銀行(ECB)による利上げ期待さえ織り込まれ始めている。これは従来の2025年に利下げが予想されていた見通しからの急転換である。
金利上昇は通常、ビットコインや暗号資産全体の相場に逆風となる。投資家がボラティリティの高いリスク資産から、より安定した利回りを有する安全資産へ資金を移すためだ。
アルトコイン市場も軟調な動きを見せている。市場分析会社Santimentのソーシャルボリューム指標によれば、投機市場を反映するSNS上のセンチメントはほぼ底値圏に近付いている。
デリバティブ市場の動向
現在の市場は調整局面にあり、ビットコインのオープンインタレスト(OI)は先週の150億ドルから161.6億ドルへと増加し、投機的関心の回帰を示している。
個人投資家の資金調達率(ファンディングレート)は0%から10%の範囲で安定推移している一方、Binanceのデータでは-2.5%へと反転し、ショートポジションのヘッジ増加を示唆している。
3カ月先物のベーシスは2.7%で推移しており、機関投資家の強気姿勢はまだ弱いことが示されている。
オプション市場においては慎重ながら若干の楽観的変化が見られる。24時間のコール取引比率は51対49に接近し、1週間物の25デルタ・スキューは15%から8%へ低下。これによりプットオプションのコストが大きく下がっている。
長期インプライド・ボラティリティ(IV)は約50%で安定推移しているが、短期IVは急速なバックワーデーション(逆日歩)状態に入っており、トレーダーが短期的な大きな価格変動リスクを織り込みつつあることが窺える。
Coinglassの集計によると、直近24時間の清算額は2億5,700万ドルに上り、ロングとショートの比率は70対30。主な清算対象はビットコイン(1億2,100万ドル)、イーサリアム(5,100万ドル)、その他(1,500万ドル)だった。
Binanceの清算ヒートマップでは、価格上昇局面において71,600ドル付近が重要な清算ポイントとして注目されている。
トークン市場の動向
分散型金融(DeFi)トークンのMORPHOとJUPは金曜日の下落を主導し、協定世界時(UTC)午前0時以降で2~3%の下落を記録。これはトレーダーが投機的なトークンから米ドルへ資金を戻している動きを反映している。
一方、OKXのネイティブトークンOKBは過去24時間で23%の上昇を見せた。背景には取引所OKXがIntercontinental Exchange(ICE)と提携し、トークン化株式および暗号資産先物商品の導入を発表したことがある。
また、KITEとRIVERもそれぞれ約15%上昇し、年初以来の好調なパフォーマンスを維持している。
プライバシー系トークンは引き続き軟調で、zcash(ZEC)とdecred(DCR)は過去24時間に6%下落し、UTC午前0時以降にその下落が加速している。