世界最大のステーブルコインUSDTの発行元であるTetherは木曜日、同社として初の完全な財務監査を完了したと発表しました。トークン裏付け資産に関する疑念が続く中、長年約束していた透明性向上を実現したとしています。
Tetherによると、「ビッグフォー」の一角である米国KPMGが2025年12月31日終了年度のTether Internationalの財務諸表を監査し、無限定適正意見を付与しました。これは同監査法人が米国一般に認められた会計原則に基づき、財務状況や業績、キャッシュフローを重要な点で公正に示していると判断したことを示します。
同財務諸表では、2025年末時点でTetherの準備資産が負債を68億1400万ドル上回っていることが明らかにされています。CoinDeskはKPMGの監査結果の詳細共有をTetherに求めましたが、現在のところ回答は得られていません。
本監査はニューヨーク州司法長官事務所による調査終了後に公表されてきた四半期ごとの証明報告書(attestations)から大きく前進したものです。証明報告書は特定日の準備資産の量や構成を検証するものですが、財務監査は取引や資産、負債、収益、キャッシュフローなどの裏付け証拠全般を検証します。
Tetherは3月に「ビッグフォー」会計事務所を選定し初の完全監査開始を発表していました。KPMGはDeloitte、EY、PwCとともに世界的大手監査法人の一つであり、多くの大手企業を監査しています。
同社によればKPMGは取引内容やシステム、評価方法、取引先、所有権記録に至るまで詳細に調査しました。監査人は金の延べ棒も現物で数え、検査を実施したとしています。
Tetherはこれまで準備資産の証明報告書に依拠しつつも、完全監査の実施を長年約束してきましたが、大手金融機関に求められるレベルの監査を受けていなかったことから批判を受けていました。
USDTトークンの安定性や裏付けに関する懸念は断続的に提起されており、暗号資産市場の潜在的システミックリスクとして議論されてきました。この論争は暗号資産コミュニティで「Tether FUD」と呼ばれることもあります。
USDTの時価総額は1800億ドルを超え、Tetherは米国債を大量に保有する主要プレイヤーの一つとなる中、その重要性は一層高まっています。
TetherのCEO、Paolo Ardoinoは声明で「長年にわたり批判者はTetherの監査は完了できないと主張してきた」と述べました。