先日、ある暗号資産ユーザーが大口のトークンスワップ注文を実行した結果、約5,000万ドル相当の資産をわずか約36,000ドルにまで減らすという大きな損失が発生した。
ブロックチェーンデータによれば、該当ウォレットはEthereum上のAave分散型レンディングプロトコルに預けられていたUSDTの利息付トークンであるaEthUSDT、総額50,432,688ドル分を、同様に利息付であるAaveのガバナンストークンaEthAAVEへ交換しようと試みた。この取引はCoW Protocolを介して行われた。
しかし、対象の流動性プールが薄かったため、取引は99%以上のスリッページが発生し、最終的にウォレットに残ったaEthAAVEは約327トークン、価値にして約36,000ドルにとどまった。差額は裁定取引業者やネットワーク仲介者により即座に取得された。
この種の大幅なスリッページによる損失は分散型金融(DeFi)では時折見られ、流動性の浅いプールに対して過大な注文が入ると、自動化されたアービトラージシステムが価格歪みを瞬時に利用するのが原因とされる。
Aave創業者スタニ・クレチョフ氏は、本取引についてユーザーには複数回の警告が表示されていたと説明している。同氏はSNSのXにて、本件は「単一注文として異例の大口注文」であったことから、インターフェースが並外れたスリッページを警告し、チェックボックスによる確認を求めたと述べた。
さらにクレチョフ氏によると、該当ユーザーはモバイル端末上でこれらの警告を手動で承認し、高いスリッページリスクを明確に認識した上で取引を続行したとのことだ。「ユーザーがリスクを明示的に受け入れなければ取引は成立しなかった」とし、CoW Swapのルーターは仕様通りに機能し業界標準の手順に従っていたと説明した。
それでも結果は「明らかに最適とは言えないものだった」とクレチョフ氏は述べている。また、Aaveは当該ユーザーと連絡を取り、この取引で発生した約60万ドル相当の手数料を返還する予定であることも明かした。
この損失は、数日前にAave上で約2,700万ドル相当の清算が行われた直後に起きたもので、一部市場関係者はその清算がトークンwstETHの一時的な価格異常に起因している可能性があると指摘している。